今、単にカイロといえば鉄の酸化熱を利用した使い捨ての物を指す。昔、懐炉といえば桐灰 (多分桐の炭) を燃やすものを指したらしい。
そしてその間をつなぐように使われていたスグレものに「白金カイロ」商品名ハクキンカイロがある。なぜ白金なのか。
白金には優れた触媒作用があり、少し温度を上げてやり、そこに気化したベンジンが触れるとベンジンが酸化して熱を出す、という仕組み。炎も出ないし温度も普通の燃焼よりずっと低くて、長時間に渡って安定した熱を出すというわけ。
で、Web を調べているとメーカーも製品も健在であることが判明。しかも 30年以上前の製品とほぼ変わらないものまであって消耗品も入手可能。
メーカーのページは http://www.hakukin.co.jp/
このメーカーの姿勢が気に入ったので、さっそくホームセンターへ。あったあった。購入価格 \1,280.
結構しゃれたパッケージ。これは最初の加熱のためのライターを内蔵した新型。(元祖モデルは展示なし。)
クロームメッキされた真ちゅうの輝きが意外に新鮮。袋もがんばって今風にしてる感じ。袋だけサードパーティー品が色々出たら楽しいかも。
ふたを取ったところ。先端の金具「火口」の中に白金を含んだグラスファイバーがついている。右側にはライターが見える。
燃料はベンジン。写真のように火口を外して左の計量カップで注入する。中には綿が入っているので吸い込まれて、逆さにしてもこぼれない。火口のグラスファイバーは、取り付けたとき下の綿と隙間ができるようになっているので、決して「芯」ではない。
火口をつけて少し加熱すれば反応が始まる。ライターでもマッチでも良いし、火口に電熱線が入っていて電池で加熱するタイプもあるけど、この型はこんな風にライターに点火するだけ。これで横の火口があたたまるので、5秒ほど待ってそのままふたをつければ炎は消えて白金触媒による発熱であたたまり続ける。
これはすぐれもの。電池式は簡単になったとはいえ、本体とは別の器具なのでなくすかもしれない。ライターの燃料は今入れたベンジンを使うので別に必要ない。たまに石を補給するだけ。
ベンジンは専用のものがメーカーから出ているのでこれが安心。購入価格 \358.
1ccで1時間分と考えて良いので、1回18時間分で 13円弱。
しかし、このキャラ...
まとめ。白金カイロは少しだけ手間がかかり、ベンジンのにおいが気になるが、
(1) 点火後たちまちホカホカとあったまってくる。
(2) 温度も高くて最後までほとんど一定。この型で18時間、元祖型は24時間も持つ。
(3) ゴミがでない。
(4) ランニングコストが安い。18時間13円弱。24時間モデルで17円強。
(5) あらかじめ使用時間が分かっていればベンジンを少なくすることで無駄が出ない。
どうですかみなさん。一度試してみませんか。