2010年05月30日 先物取引/FX のしくみ その5 (空売り)

(2011年2月6日イラストを差し替えました。)

なんと前回の記事から4年もあいてしまいました。しかし、原理原則は時の流れを経ても変わりません。最近、FX の広告バナーをやたら見かけます。実は私も 2010 年、ついに FX デビューを果たしました。当初はやはり、授業料を払うはめになりました。今は業者間の競争が激しく、口座開設→入金→取引、といった条件を満たすと1万円キャッシュバック、なんてのをやってますから、比較がてらいくつかの口座を開設してみることが一番確実なこづかい稼ぎかもしれません。

さて、先物取り引きのしくみ その4 では証拠金の考え方について説明し、先物取引のしくみは一通りの完成を見ました。さて、ここまでくると先物取引の原理を上手く使い「値下がりすると儲かる」という取引ができるようになります。

証拠金を積むときは、買うという約束だけで、実際に買うのは決済のときです。決済は、買い→(反対売買により即時に)→売りという風に取引が完了します。

約束だけなのだから、
証拠金を積み、持っていないもの--例えばユーロ--を売るという約束ができないでしょうか。決済時には「買い」ですから手元にユーロが入ってきます。それを速攻で売れば当初の売りの約束を果たして決済できます。決済時点の価格 (現物) で買い→(反対売買で即時に)→約束した価格で売り、と取引したらどうなるでしょう。以下に注文時より決済時に値段が下がったときのイメージを図にしました。

決済のとき、値下がりしてれば儲かる!!

空売り

このイラストはうまく行って儲かっていますが、もし逆に値上がりしてたら損することになるので注意。

考え方の問題ですが、売りの契約をする時点で、よそから借りてきて売るという考え方もあります。決済のときに買ったもので返すわけですね。株式の先物取引は基本的にこれです。株式の場合発行株数が限られているので、持っていないものをたくさん売りすぎると、決済のときに買える株式がない、という事態が発生するので、これを防ぐためと思います。(この場合借り手は貸し手にレンタル料を払う必要があります。)

このように、先物取引では、約束したときと決済するときで、値上がりしていても値下がりしていても儲けることができる可能性をもっています。

ただし、いずれにせよ予想が外れたときは損することには変わりありません。

理解いただけましたか? 最近 CFD (差金決済) という、一見新しい取引が注目されているようですが、先物取引もFXも決済のときに売り・買いの差額を支払い・受け取りする差金決済に変わりありません。その1から読んでもらえば、本質が理解できるはずです。

次回は実際に体験してみて思ったことを書いてみようと思います。

FX を始めて見たくなった人は↓

こちら にもあります。

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